詩生活/詩ハトモダチ
なつの ぼうしを うけとめる くろいかげが よこぎる あおいくさのうえを いくつも いくつも いくつもの すいじょうきがたちのぼりながらまとわりついて汗にかわる あなたたちは てをとりあって 汗をぬぐいあう
わたしのよるは いつもやさしい ゆっくり溶けだした 果実酒のあまい沈殿のように
のろのろと褐色の壜の底をただよい はいかいし おそらく くちることなく棚にならべられ おさまる
ダイニングテーブルで 分厚い硝子容器に挿した植物の白が いきもののように伸び はびこる いきものというのは おんなの手足じみている のびてゆくさきはさきほそり さきほこるさきにはおおきなかんむりなどをぶらさげ
わたしはいつからか わらったあとに わらったことを おどろくようになった そんなにながく どこをはいかいしていたというのか またおどろく おかしいことがおかしいということにおどろく いきもののようなおんなの手足 おおきなかんむりをなくし それから
■
それから ざるにあげたもやしを 熱くしたちゅうかなべの けむりがでるほど熱くしたちゅうかなべのパラボラへほうりこむ いくつも いくつも いくつもの すいじょうきがたちのぼりながらまとわりつく脂にぶつかる そうしてようやく いきているおんなの手足へと 汗ばんだくびすじへと ちいさなこんせきのいたみをのこし しるす
いきものは そこからやっと くちはじめることができる
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05/12
pourquoi pas
]
みどりいろのきせつが
やって来て
きょうは文句たればかりだと
文句ををたれて行く
みどりいろのきせつは
案外
強情で薄情だけどいいやつ
ミントジュレップというより
ティパンチのような日に
片目を腫らしてやって来て
大声で泣きながら
公園のフェンスによじのぼる
変わり者
きんいろのボタンが
エレベーターのボタンみたいに
きれいにまっすぐにのぼっていく
スカートの膝小僧のうえに
まっすぐにならぶ
きんのボタン
熊本の大きなデパートの
頬のふくよかなエレベーターガール
いいかんじの制服
ていねいにしんせつにやさしくほほえんで
手袋をはめたゆびさきで
わたしのかわりに押してくれる行き先
おじいさん
おばあさん
お土産やお祝い
日々に内包された特別なある日
立ち止まる
あるいは
行き交う人々
隣人や友人
子ども達
職場や家族
きんいろのボタンが留めているものたち
わたしのスカートの前にあるものたち
自転車をこいでわたってゆく景色
小麦粉がはこぶ香ばしい香り
キウイのうすぐらい緑
レモンとミカンと赤い毛糸
STAEDTLERの消しゴム
アクリルで彩色した石
窓辺でゆれるモビールの
細長い伸縮
濃い影のくろ
鉛筆とポストカード
カラになったガム
箱の上澄みの
大文字のA
掛時計の針から
砂がさらさら
ながれ
東京上空の
寒気
乾涸びて
笑うと
ぴっと
裂ける
口
et
Alors
レモンとミカンと赤い毛糸
STAEDTLERの消しゴム
アクリルで彩色した石
窓辺でゆれるモビールの
細長い伸縮
濃い影のくろ
鉛筆とポストカード
カラになったガム
箱の上澄みの
大文字のA
掛時計の針から
砂がさらさら
ながれ
東京上空の
寒気
乾涸びて
笑うと
ぴっと
裂ける
口
et
Alors
Anthropomorphic landscapes Ⅰ
とびらを開けると un bel di,vedremo がきこえた奥の部屋へと続く とびらのまた向こうからきこえる
この建物にはとびらがたくさんあり どのとびらも
開かれるのを 拒むようでいて また 待ち望んで
いるようでもある
建物の内部ではいつも なにかしらの音楽が移動し
ている 匂いも 空気の震動によって 常にうごい
ている
眼球の如きテーブルが ぎょろぎょろ 辺りを見回
している 寝起きの巨人の 髭のような カーテン
シーツ 脱ぎ散らかした ローブの ひだのたぐい
浴室 台所 下水へと続く ゆるやかな曲線 電気
コードの 絡み合う 束の 赤 黒 白 黄色 コ
バルト
もうすぐ 何かがはじまろうとしている 前にも
聞いた いつも 誰かが口にする まじないのよう
な ことば 良いことなのか 悪いことなのか 誰
もいちばん深いところには 届かない まま 何か
何か 何かが起こる ことだけ 明確にして 自然
の猛威にさらわれた 人間の数を越えてゆく
我々
に内包された力は 姿を変えて ある 晴れた日に
あらわれる 空を見上げれば 雲が 恐ろしい顔を
していた
Anthropomorphic landscapes Ⅱ
真空チタンのカップにビールを注いでくれる友人
うすくスライスしたカラスミをあぶりながら
ニューヨークに住む音楽家がつくった歌をハミングしている
少し音程がはずれても それは それで 魅力的
白いシャツからのぞく 逞しい民族のモチーフ
細い腕が アンバランスでも
それは それで よく似合っている
海を眺めながら スタートレックに登場したゲームを
5回して 日が暮れるまま バルコニーでさらされる
水平線と 空と 雲とが フルートグラスにかさねられた
ゼリーみたいに透き通っていく
真っ暗な宇宙空間に 吸い込まれて おなかが空いた
空っぽになって
心地良く使い古された 木べらで
じゃがいもを うらごす
お皿に残った 混沌のソースを
掬って きれいに さらう
Anthropomorphic landscapes Ⅲ
おばけのことを決して 馬鹿にしてはいけないと言った
おばけばなしが怖いのは おばけが こわいのではない
奥底に眠る 人間の 垣間見えるのが 恐ろしいのだと
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Je suis Bouton de pivoine
HN:
pivoine
性別:
女性
趣味:
J'aime la lecture,faire des vers et dormir...
自己紹介:
コンニチハ
竹村はなびと申しマス
詩はわたしの日々の断片です
人生においては、詩を愛するよりも、現実を愛することから始めなければならぬ。
もとより現実は常に人を裏切るものである。しかし、現実の幸福を幸福とし、不幸を不幸とする、即物的な態度はとにかく厳粛なものだ。詩的態度は不遜であり、空虚である。物自体が詩であるときに、初めて詩にイノチがありうる。
坂口安吾「恋愛論」より
Ecrire est un acte d'amour.
S'il ne l'est pas,il n'est qu'écriture.
Jean Cocteau
extrait de La difficuluté d'être
竹村はなびと申しマス
詩はわたしの日々の断片です
人生においては、詩を愛するよりも、現実を愛することから始めなければならぬ。
もとより現実は常に人を裏切るものである。しかし、現実の幸福を幸福とし、不幸を不幸とする、即物的な態度はとにかく厳粛なものだ。詩的態度は不遜であり、空虚である。物自体が詩であるときに、初めて詩にイノチがありうる。
坂口安吾「恋愛論」より
Ecrire est un acte d'amour.
S'il ne l'est pas,il n'est qu'écriture.
Jean Cocteau
extrait de La difficuluté d'être
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