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詩生活/詩ハトモダチ
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女が机に向かって何かつぶやいている
つぶやきは水泡の様にかすかにふるえながら
床を通り抜け階下の天井を通り抜けまた床を通り抜け
水道管やガス管や電気ケーブルの間を通り抜け
(中にはここで感電し、丸焦げになるものもあるけれど)
地下へ潜っていく

男が壁に向かって何かつぶやいている
つぶやきは水泡の様にかすかに揺れながら
天井を通り抜け階上の床を通り抜けまた天井を通り抜け
雨雲や排気ガスや飛び交う電波の間を通り抜け
(中にはここで融合し、消えてしまうものもあるけれど)
空へのぼっていく

そうしたそれらはかたちをかえてもどってくる
地下へ消えたものが地上へ噴出し
空へのぼったものが地上へ落下し

カタストロフ!
つぶやきはカプセルに閉じ込められた
損傷した前頭葉のカケラだとしたら?

濾過によるルネッサンスの
0と1との二分法による
限りなく“多様”な組み合わせは
永遠と平行と男女とが相俟って
コミカルなプログレを所望する

奇蹟を奇蹟たらしめたきっかけを
後から後から理由が追いかけて
群がる理由達の存在はどこにも浸透せず
奇蹟を覆い隠している

無意識というものは常にうつくしいので
誰も触れることが出来ない

眠っているまぶたの上に
蛾の鱗粉がこぼれ落ち
目が覚めた真夜中に

真暗な部屋の中では
予兆めいたものが
息を潜めひしめいている

愚鈍な指先には空気の振動が伝わらない
虫の様な触角があればいいのにとおもう
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キカイタイソウ ヲ シマス
ワタシハ キカイタイソウ ヲ スルワ
アナタト キカイタイソウ ヲ スルノ
キカイノ ウエ デ トケイノ ハリ ガ 
チクタク ト ハタラク ノヲ ミテイルト

キカイタイソウ ハ チョウド ニジュップン
デ オワルノデス チリチリチリン ト ベル

アナタハ マタ オカネ ヲ イレテ
ハジメカラ キカイタイソウ ヲ
シヨウトする ノネ

ワタシ ノ ウエ デ ウデ時計 ノ 針 ガ
サカサマ ニ マワル マルデ 幼児 ノ ヨウニ
薬局 ノ 前 デ 錆ビタ 赤イ電動馬 ニ 跨ガッテイル 
マエヨリ ズット 軽クナル 赤クナル カルクナル
空気ノ重サ カラダノ重サ ジュウリョクノハタラキ ハ 
ゴゾンジ デショ?

イロイロ キキマス 
シロウト クロウト 少年愛
インセスト ネクロフィリア
ピグマリオンコンプレックス
オイディプスコンプレックス
フカンショウ 
イロイロ キキマス

キカイタイソウ ヲ オタメシアレ
キカイノ ウエ デ トケイノ ハリ ガ 
チクタク ト ハタラク ノヲ ミテイルト

キカイタイソウ ハ チョウド ニジュップン
デ オワルノデス チリチリチリン ト ベル

アナタハ マタ オカネ ヲ イレテ
ハジメカラ キカイタイソウ ヲ
シヨウトスル ノネ
[  10/22  Les gâteaux  ]
かなしいときはケーキをたべる
かなしいときのケーキほど
おいしいケーキは他にないから

かなしいときはケーキをたべる
かなしいときのケーキほど
まぶしいケーキは他にないから

洋酒の香り 
果実の酸味
ショコラの苦み 

軽やかで
とても繊細

人生ってシンプルでフクザツね
ひとつひとつがこんなふう

かなしいときはコトバが欲しい
ケーキのようにかがやくコトバ
ケーキのようにゆめみるコトバ

ビスケットのドアー
ブラウニーのソファ
チェリーキャンディーの街灯
メロンゼリーのベットルーム
午後からはマーブルチョコレートが降る予定

かなしいときは観察するの
かなしいときほど美しさは
遠いようで近くにあるもの
こういうチャンスは滅多にないわ
[  10/21  うたかた  ]
欲しいものはいくらでもあるけど
その日によって全然違うの

なんにも欲しくない日には
ひだまりの中の猫の様

なんでもかんでも欲しい日は
奇抜なデコレーションケーキ
電飾と花火とバズーカー
ヒョウ柄のフェイクファー
青いラメのピンヒール
キンキーで空虚な人波に
モンキースパナぶん投げて踊るの

たくさんの嘘
どうでもいいこと
無意味な言葉が次々にあふれ
こぼれ落ち
粉々に
からっぽになあれ

なんにも欲しくない日には
おとこのこひとりつかまえて
一日じゅう抱きあってる
おとこのこはあったかい
ぐるぐるにくるまって
ぐるぐるにあったまって
チョコレートみたいに
ノウミソがとろけそう

ああラクチン

ぼんやり ぼんやり
ぷっかり浮いたうたかたは

日が落ちるまで
そこいらへんを
ぐるっとさんぽ

かぜがふいたら
パチンとハジケ
さようなら
[  10/15  C17 H21 NO4  ]
一斉に部屋の照明が
点けられた時の様に風景が

好きな写真家の視点
彩度や明度と重なりあって

地面から生えている様に見える

あなたは

まるで

アルカロイドね



鏡の上

カミソリの刃で整えた丁寧な線は 
まっすぐ吸い込まれて消える
電気が点く耳の奥で音がする

パチリ

フラッシュを瞬かせ

街を放浪するノマド

帯を引く流線型
吸い込まれて消える

テイルランプ
ネオンライト
テトラポット
ビルディング
エトセトラ
エトセトラ



それは

飛び立つ前の飛行機だわ
オートルートを滑走するタクシー
街中にボロボロの引っ掻きキズみたいな模様を描いて
夜中じゅう縦横無尽に走りまわるの

だけど朝になるとすっかり消えて
労働のパンだけがテーブルの上の食べ残し
置き忘れられた冷えたスープみたいにいつまでも残るわ

そんなもの誰も口にしたくないのよ



とにかくにぎやかで騒がしくってバカバカしく 
洗濯機の中にでも飛び込んだような気分
気づいたらどこか知らないスイートのバスルーム
生クリームとイロトリドリの紙フブキ
仏蘭西香水石鹸の泡沫で体中ベトベト
おまけにヒリヒリの鼻孔から脳天まで
串刺しにする暴力的ないい香り
輝くシャンデリアには吐瀉物

ワゴンの上にはよく熟した南国の果物と
厳寒の氷の海から空輸で運ばれた脂ののった魚と肥えた貝

暖房のよく利いた室内で銀のトレーに敷き詰められた
ダイヤモンドの破片の様なクラッシュアイスはすっかり溶けて

毛足の長い絨毯へ垂れ流しのまま

それらは上手に絡み合い腐敗しつつ
もうじきとんでもない匂いを発し始める



眠りにつく前

いつも頭に浮かぶのは

小さかった頃のこと



C17 H21 NO4
Je suis Bouton de pivoine
HN:
pivoine
性別:
女性
趣味:
J'aime la lecture,faire des vers et dormir...
自己紹介:
コンニチハ
竹村はなびと申しマス
詩はわたしの日々の断片です

人生においては、詩を愛するよりも、現実を愛することから始めなければならぬ。

もとより現実は常に人を裏切るものである。しかし、現実の幸福を幸福とし、不幸を不幸とする、即物的な態度はとにかく厳粛なものだ。詩的態度は不遜であり、空虚である。物自体が詩であるときに、初めて詩にイノチがありうる。

坂口安吾「恋愛論」より

Ecrire est un acte d'amour.
S'il ne l'est pas,il n'est qu'écriture.

Jean Cocteau
extrait de La difficuluté d'être
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