詩生活/詩ハトモダチ
キンモクセイがひらきかけ
あけがたは灰色水色で
よく寝るこども
通勤途中のアスファルト
ビルディングは影を増す
画質の粗いblanc et noir
鼓膜のあたりで
引っ掻くような
noise
木の幹のその先の
枝のその先の
くだものが
冬がやってくるのを
嬉しく待つ
柔らかな頬っぺたの様に
恥じらいを秘め
いっせいに色づく
バスの中
胸の中が乾いた様な
咳をする人
おだいじに
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世界よ世界
あたしはあんたが大好きよ
世界よ世界
あたしはとってもちっぽけで
世界よ世界
あんたはとってもおおきくて
世界よ世界
あたしはちっともわかんない
世界よ世界
あたしのこともあんたのことも
世界よ世界
それでもあんたが大好きよ
世界よ世界
目を閉じて
頭の中を空にして
ふだんとちがうほうほうで
あんたに触ろうとしてみるわ
世界よ世界
なんどもがっかりしたし
なんどもうまくいかなかったことがあるの
世界よ世界
どんなに汚れたってあんたが大事
世界よ世界
あたしの内側があんたの外側だわ
そう、よくわかる よくわかる
目がきれいな生き物は
まだたくさん生まれてくる
世界よ世界
何度でも言うわあいしてる
世界よ世界
あたしはとってもちっぽけで
とてもとてもこころぼそい
世界よ世界
あんたはとっても偉大だわ
とてもとても未知なるもの
世界よ世界
あたしはあんたが大好きよ
世界よ世界
あたしはとってもちっぽけで
世界よ世界
あんたはとってもおおきくて
世界よ世界
あたしはちっともわかんない
世界よ世界
あたしのこともあんたのことも
世界よ世界
それでもあんたが大好きよ
こどものあたま
まんまるあたま
まるいあたまに
まるいひとみ
まるいひとみの
まるいひかり
まるいおくちに
まるいおはな
まるいほっぺに
まるいおでこ
おりこうさんの
まるいおでこ
こどものあたま
まんまるあたま
まんまるあたま
まるいあたまに
まるいひとみ
まるいひとみの
まるいひかり
まるいおくちに
まるいおはな
まるいほっぺに
まるいおでこ
おりこうさんの
まるいおでこ
こどものあたま
まんまるあたま
雑踏の中にマンゴを落としてきてしまった
マンゴはまるくあたたかな肉体のようで私は
果実としてではなくゴギャンのその絵画の中の女たちの
端のあがった厚い唇と同じ様な居心地の良さに親愛の情を抱き
いつまでも手のひらの中でその質感を楽しみながら
日毎に傷んで茶色くなるおひさま色の皮の表面を愛していたかった
マンゴはまず尖ったパンプスの先に突き刺さりそのまま
スクランブル交差点を渡り切る手前まで進むとそこで
イギリス製労働者用長紐靴と正面衝突しクラッシュした
それからすぐ後に来たアメリカ製の白いジョギングシューズを
オレンジに染めたところで信号が赤に変わり先頭を飛び出してきた
ショッキングピンクのスクーターバイクの前輪に絡み付いた
その上にいた西海岸ハードコアパンクバンドのレコードジャケットがデザインされたT-SHを着た痩せて青白い顔の少年は甘い熱帯の香りの中で硬いアスファルトにしこたま叩き付けられハイビスカスの花模様の大きなビニールバックを持った女の子が小さく「ちょーうぜぇ」と言い捨て舌打ちし一瞥して去ってゆくのを見てからの記憶が幸いなことに無い
「ちょーうぜぇ」と言った女の子はほんとうはいいお家のお嬢さんなのだけれど
非常に多元的な性格のためこんなところでこんなことをしている
痩せて青白い顔の少年は夜勤明けの早朝半分寝ながらスクーターに乗っていた
赤ん坊を連れた老夫婦がゆっくりと横断歩道を渡っていた
痩せて青白い顔の少年は夜勤明けの早朝半分寝ながらスクーターに乗っていた
夢の中で少年は時給千円でガードマンのアルバイトをしていた
少年の1日は時給にすると24,000円なのである
1ヶ月で72万円となり1年ではっぴゃくろくじゅうよんまんえんである
864まんえん稼ぐには飯も食わず寝ずに1時間を千円と引き換えなければならないのだ…と夢の中の少年は暗算を終わらせたところで目が覚めた
目の前の横断歩道を赤ん坊を連れた老夫婦がスローモーションで渡っているのが見えた瞬間
朝日射し込む青空に金管楽器の響きが描かれ
カリフォルニアでもロスでも見られなかった晴天が
巨大な雨雲を土星あたりまで押しやってしまったような胸のつかえ
嘔吐するものなどあるようでなく
腹の内なんてすでに真っ黒黒で
内蔵は何もかも黒く澱み
とうとう少年は真っ黒い心まで吐き出してしまった
そのままスロットルを全開にして夏の濃紺の早朝を埋め立て地から渋谷までショッキングピンクの50ccは血痕が乾かぬうちに到着したブレーキももはやぶっ壊れてしまった為それを止められるのは私の愛するマンゴだったという訳であろう
2007年7月22日 日曜日
10時開店のスーパーマーケットには
おひさま色のマンゴがいい子でチンと陳列されているが
すでに茶色に傷んでゆく予感を内包しているから
私はとても安心するのだ
マンゴはまるくあたたかな肉体のようで私は
果実としてではなくゴギャンのその絵画の中の女たちの
端のあがった厚い唇と同じ様な居心地の良さに親愛の情を抱き
いつまでも手のひらの中でその質感を楽しみながら
日毎に傷んで茶色くなるおひさま色の皮の表面を愛していたかった
マンゴはまず尖ったパンプスの先に突き刺さりそのまま
スクランブル交差点を渡り切る手前まで進むとそこで
イギリス製労働者用長紐靴と正面衝突しクラッシュした
それからすぐ後に来たアメリカ製の白いジョギングシューズを
オレンジに染めたところで信号が赤に変わり先頭を飛び出してきた
ショッキングピンクのスクーターバイクの前輪に絡み付いた
その上にいた西海岸ハードコアパンクバンドのレコードジャケットがデザインされたT-SHを着た痩せて青白い顔の少年は甘い熱帯の香りの中で硬いアスファルトにしこたま叩き付けられハイビスカスの花模様の大きなビニールバックを持った女の子が小さく「ちょーうぜぇ」と言い捨て舌打ちし一瞥して去ってゆくのを見てからの記憶が幸いなことに無い
「ちょーうぜぇ」と言った女の子はほんとうはいいお家のお嬢さんなのだけれど
非常に多元的な性格のためこんなところでこんなことをしている
痩せて青白い顔の少年は夜勤明けの早朝半分寝ながらスクーターに乗っていた
赤ん坊を連れた老夫婦がゆっくりと横断歩道を渡っていた
痩せて青白い顔の少年は夜勤明けの早朝半分寝ながらスクーターに乗っていた
夢の中で少年は時給千円でガードマンのアルバイトをしていた
少年の1日は時給にすると24,000円なのである
1ヶ月で72万円となり1年ではっぴゃくろくじゅうよんまんえんである
864まんえん稼ぐには飯も食わず寝ずに1時間を千円と引き換えなければならないのだ…と夢の中の少年は暗算を終わらせたところで目が覚めた
目の前の横断歩道を赤ん坊を連れた老夫婦がスローモーションで渡っているのが見えた瞬間
朝日射し込む青空に金管楽器の響きが描かれ
カリフォルニアでもロスでも見られなかった晴天が
巨大な雨雲を土星あたりまで押しやってしまったような胸のつかえ
嘔吐するものなどあるようでなく
腹の内なんてすでに真っ黒黒で
内蔵は何もかも黒く澱み
とうとう少年は真っ黒い心まで吐き出してしまった
そのままスロットルを全開にして夏の濃紺の早朝を埋め立て地から渋谷までショッキングピンクの50ccは血痕が乾かぬうちに到着したブレーキももはやぶっ壊れてしまった為それを止められるのは私の愛するマンゴだったという訳であろう
2007年7月22日 日曜日
10時開店のスーパーマーケットには
おひさま色のマンゴがいい子でチンと陳列されているが
すでに茶色に傷んでゆく予感を内包しているから
私はとても安心するのだ
ニューヨークの葉子が裸でシーツに包まるころ
トーキョーの曜子が酒場でジャズを歌っていた
パリの陽子がやっと起き出し煙草をくわえコーヒーを沸かすころ
カルカッタの蓉子がヤギ肉のカレーを銀の皿へ移していた
それぞれの恋人はその様子を大きなソファーに横になり
何かとても退屈で美しい映画でも見ている様に眺めている
葉子の部屋では缶ビールの底に残った酵母の小さな腐敗が
曜子が歌うクラブでは体臭のない男女の霧のような浮遊が
陽子の恋人の家では古い書物とヤニの染み付いた家具と
ノルマンディー産青リンゴの連絡網が
蓉子の路上では脳髄まで染み込んだ数百のスパイスと
ヤギ肉の血とジャスミンの白い花の輪郭の混沌が
それぞれのせいかつを
進行させ印象付け形成し消費させ
それぞれのyokoは年をとり
麻薬のやりすぎでシワシワになりながら
美容整形で若返りながら
子供を身ごもる明日かも知れず
靴とバックの数が
ただ増えてゆくだけの未来なのかも知れず
あまりの無知を軽蔑されながら
あまりの奔放を憧憬されながら
頼りなく力強いyokoたちの行進は
あまり相手にもされず
あまり感心もされず
しだらなく
恋人の眼球に反射されるがままの姿で街へ出歩き
仕方なく
ショーウィンドウに映る姿を見て
前髪を少し改めてみたりするのであった
トーキョーの曜子が酒場でジャズを歌っていた
パリの陽子がやっと起き出し煙草をくわえコーヒーを沸かすころ
カルカッタの蓉子がヤギ肉のカレーを銀の皿へ移していた
それぞれの恋人はその様子を大きなソファーに横になり
何かとても退屈で美しい映画でも見ている様に眺めている
葉子の部屋では缶ビールの底に残った酵母の小さな腐敗が
曜子が歌うクラブでは体臭のない男女の霧のような浮遊が
陽子の恋人の家では古い書物とヤニの染み付いた家具と
ノルマンディー産青リンゴの連絡網が
蓉子の路上では脳髄まで染み込んだ数百のスパイスと
ヤギ肉の血とジャスミンの白い花の輪郭の混沌が
それぞれのせいかつを
進行させ印象付け形成し消費させ
それぞれのyokoは年をとり
麻薬のやりすぎでシワシワになりながら
美容整形で若返りながら
子供を身ごもる明日かも知れず
靴とバックの数が
ただ増えてゆくだけの未来なのかも知れず
あまりの無知を軽蔑されながら
あまりの奔放を憧憬されながら
頼りなく力強いyokoたちの行進は
あまり相手にもされず
あまり感心もされず
しだらなく
恋人の眼球に反射されるがままの姿で街へ出歩き
仕方なく
ショーウィンドウに映る姿を見て
前髪を少し改めてみたりするのであった
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Je suis Bouton de pivoine
HN:
pivoine
性別:
女性
趣味:
J'aime la lecture,faire des vers et dormir...
自己紹介:
コンニチハ
竹村はなびと申しマス
詩はわたしの日々の断片です
人生においては、詩を愛するよりも、現実を愛することから始めなければならぬ。
もとより現実は常に人を裏切るものである。しかし、現実の幸福を幸福とし、不幸を不幸とする、即物的な態度はとにかく厳粛なものだ。詩的態度は不遜であり、空虚である。物自体が詩であるときに、初めて詩にイノチがありうる。
坂口安吾「恋愛論」より
Ecrire est un acte d'amour.
S'il ne l'est pas,il n'est qu'écriture.
Jean Cocteau
extrait de La difficuluté d'être
竹村はなびと申しマス
詩はわたしの日々の断片です
人生においては、詩を愛するよりも、現実を愛することから始めなければならぬ。
もとより現実は常に人を裏切るものである。しかし、現実の幸福を幸福とし、不幸を不幸とする、即物的な態度はとにかく厳粛なものだ。詩的態度は不遜であり、空虚である。物自体が詩であるときに、初めて詩にイノチがありうる。
坂口安吾「恋愛論」より
Ecrire est un acte d'amour.
S'il ne l'est pas,il n'est qu'écriture.
Jean Cocteau
extrait de La difficuluté d'être
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